2015年10月。
仕事で親しくお付き合いさせて頂いているとある会社の社長から鹿児島へ遊びに来ないか?と誘われ出掛けました。 そして、この旅が僕のフォトグラファー人生のはじまりでした。
記憶にある鹿児島の景色は、空が蒼くて、山がダイナミック。そして水が透明でめちゃめちゃ綺麗でした。山がダイナミックに感じるのは山の麓を道路と線路が海沿い続いてて、その景色は長野出身の僕には強烈だったんです。鹿児島の人々が生活するうえで必要なことを実行した結果なんだと思います。一概には言えませんが、僕がイメージしている長野のイメージですが、まるっきり反対で、きっと何かとリスクが多いという理由から町を切り拓いていくなんてことをしないと思います。(それだけものごとの基準や価値感、考え方が違うんだろうな。)それぐらい長野との違いに強烈な風景でした。 今、冒頭で話したことを今回の旅先で暮らす社長のお母様が僕のグラスに注いだ酒を嗜みながらしました。お酒を注ぎだすと止まらないお母様で、グラスが空になるとすぐに注いできます。少し休憩・・・・なんていうと、「何でぇ~」訛りのきいた名台詞が本質を突くか如く何度も部屋の中に響きます。
ところで、社長のお母様はどんな方かといいますと。
はい、とてもお元気な方で、衝撃的だったのがまさかの原付バイク運転者!!!
え!自転車じゃないの?!あるいはよくみかけるベビーカーみたいなやつじゃないの? そんなスーパーお婆ちゃんです。(まぁ社長のお母さんですから、それぐらいのインパクトはあるわなぁ・・・) おばあちゃんの無茶ブリもふくめ旅行中は酒を美味しく頂き、地元の話や社長の兄弟の話などを聞きながら夜はふけていました。 この鹿児島の旅ではいろんなことを経験しました。
桜島、流しそうめん、知覧の特攻平和会館の見学、地引網、バーベキュー、手作りの釜焼きピザ、仙巌園、魚見岳などなど。展望台の階段を登るスーパーお婆ちゃんも強烈でした。 そんな沢山の思い出を作って鹿児島から東京に帰りました。
旅で撮った写真はすんごい枚数でした。
まだ一眼レフに振り回されているしょうもないヘボカメラマン。
でもね、一生懸命撮影したから写真を見るのが楽しくて仕方なかった。
この感動を共有したいから、社長にお礼をこめてフォトブックを制作。
我が家、社長、社長の兄弟、社長のお母様、計4冊。
タイトルはみんな一緒にという意味をこめて「よろっで」
すごく喜んでいただけました。
これが写真の力なんだ!と心の底から思いました。 とくにスーパーお婆ちゃんが喜んでくれたそうで、社長がわざわざ僕に話しをしてくださいました。
「すごく喜んでて、これは家宝だ!と言って、毎日仏壇に置いてるんだよ。近所の仲間たちが家に来たりすると、そのアルバムを一緒にみて楽しんでて。」 このときの僕の写真のスキルなんてとてもじゃないけど上手とはいえません。
構図もよろしくないものもあるでしょう。
だけど、写真を撮ることに大切なことはこのとき学びました。
そして僕にしか撮れない世界、間もここで発見できました。
あの日をありがとう、おばあちゃん。 僕が撮影したスーパーおばあちゃん。
9年後の今、彼女の遺影になりました。
ご家族の皆さん、そして地元の皆さん、撮影させてくださってありがとう御座いました。
お婆ちゃん、好きなだけバイクで駆け回っていいからね。
あっちでも仲間とアルバムみて、お酒飲んでください。
そっちに行ったときは、名台詞を僕にぶつけてくださいね。
おやすみなさい。
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